相続が発生した場合、どの専門家に相談すべきか(状況ごとに解説)
相続が発生した際には、専門家への相談がスムーズな手続きと適切な対応のカギとなります。
ただし、相談すべき専門家は遺産の規模や状況によって異なります。
この記事では、状況ごとにどの専門家に相談するべきかを詳しく解説します。
① 遺産が基礎控除を超えている場合
→ 税理士が最適な選択
遺産が基礎控除額(2024年現在、3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告が必要になります。
この状況では、税理士に相談することで以下のようなメリットが得られます:
- 納税額を意識した遺産分割協議のアドバイス
相続税の負担を最小限に抑えるための分割方法を提案してくれます。税務知識が欠かせない部分で、専門家の助けが不可欠です。
- 特例を活用して納税額を減らす
小規模宅地等の特例や配偶者控除など、見逃しがちな制度も適切に利用できるようアドバイスしてくれます。
- 複雑な土地評価の対応
土地の評価額は専門知識が必要です。特に不動産が多い場合は税理士に任せることで正確かつ効率的な処理が可能です。
- 財産全体を把握した遺産分割協議書の作成
一般の方は、相続財産に該当するものをすべて把握するのは容易ではありません。 - 相続税法においては例えば「みなし相続財産」(生命保険金や死亡退職金など)など、意外なものが相続財産とされるケースがあります。
- そのため税理士に相談することによって、アドバイスをもとにすべての財産を洗い出しそれを基に遺産分割協議書を作成することができます。
- これにより、税務調査にも対応可能な書類が整います。
- 税務調査時の対応
税務署による調査が行われる場合でも、税理士が立ち会ってくれるため安心です。
税理士は財産全体を把握した上でアドバイスを行うため、相続の全体像を正確に理解する助けとなります。
② 遺産が基礎控除未満の場合
→ 司法書士に相談するのが一般的
基礎控除未満であれば、相続税の申告は不要ですが、不動産が絡む場合には注意が必要です。
不動産登記の変更には法定期限があります(3年以内に対応が必要)。
司法書士への相談がおすすめされる理由は以下の通りです:
- 不動産登記の手続きがスムーズ
登記変更の期限内に適切に対応してくれます。
ただし、注意すべきポイントもあります。
当初、基礎控除未満と判断しても、後々に遺産整理を進めた結果、基礎控除を超えるケースが発生することがあります。
この場合、司法書士が作成した遺産分割協議書では不動産に特化して記載されることが多く、全財産を網羅していない場合があります。
後で税理士に相談すると協議書の作成し直しが必要となり、余計なコストが発生することも。財産の全体像を事前に確認することが重要です。
③ 遺産分割協議で揉めそうな場合
→ 弁護士に相談
相続人間でトラブルが予想される場合は、弁護士に相談するのが適切です。弁護士は法律の専門家であり、調停や訴訟といった法的手続きを代理することができます。
以下の場合に相談を検討しましょう:
- 遺産分割協議が難航している
相続人間で意見が対立している場合、弁護士の調整が役立ちます。
- 裁判や調停を視野に入れている
遺産分割調停や裁判になった際には弁護士が代理人として対応します。
ただし、揉め事がない場合には弁護士に依頼する必要性は低いです。また、納税額の考慮を含めた遺産分割のアドバイスは税理士ほど期待できない点にも注意が必要です。
④ 次の相続に備えて遺言を残す場合
→ 行政書士などに相談
将来的な相続争いを防ぐために、遺言を作成するのは有効な手段です。この場合、行政書士や公証人に相談することが一般的です。
主なサポート内容は以下の通りです:
- 法的に有効な遺言書の作成サポート
自筆証書遺言や公正証書遺言の作成手続きをサポートしてくれます。
- 財産の正確な把握
行政書士は財産目録の作成をサポートしてくれるため、漏れがなく安心です。
遺言書は作成後に保管や定期的な見直しが必要です。次世代の相続を円滑に進めるためにも専門家のアドバイスを受けましょう。
まとめ
相続の状況に応じて、相談すべき専門家は異なります。
また奈良県で発生した相続については、奈良県の税理士及び専門家に相談するほうが地方銀行などとのやり取りなどにも精通しているところもありより効率的です。
さらに重要なのは適切なタイミングで正しい専門家に相談することです。信頼できる専門家と連携し、円滑な相続手続きを進めましょう。